はらり、ひとひら。


ふわっとあくびをひとつ吐き出し、財布をもって家を出た。季節はゆっくり、けれど確実に進んでいる。

あれだけ満開だった桜は青々とした緑色に茂り、春は徐々に夏へと移行してきている。


あれからすっかり体の調子はよくなり、拍子抜けするほど何も不都合はない。本当に、他人と心と身体が入れ替わったことが嘘みたいだ…



そうぼんやり思う休日の朝。今日私が向かう先は、


「ええっ。神社?」


そう、悲しいかな花の女子高生、おつかいを頼まれた先は神社であった。



話は朝に遡る。今日は一日ゆっくりしていようと心に決めた私はいつもより遅い時間に目覚ましをかけ、幸せタイムを満喫、安らかに眠っていた。


ところが…母は無慈悲にも布団を引き剥がし、お金を置き伝言を繰り返したのちに有無を言わさない迫力で「お願いね」と笑ったのだ。なんて恐ろしい親だ。


あんな笑顔で圧をかける母親がいてたまるか…。くそう。








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