はらり、ひとひら。


呼びかけると勢いよく、受け渡し所の窓が開いた。音に驚き飛び上がる。

「うわっ」

「どうもー。何か御用ですか?」

「こんにちは。お守りください」


出て来てくれたのはハッとするくらい、派手な人。眩しい金髪に銀のピアス。外人?バイトの人だろうか。茫然としていると、その人はニコッと笑った。



「種類いっぱいありますよ、何にします?」

「えーっと。商売繁盛か千客万来みたいなのありますか?」

「ありますよー。700円お納めください」


お金を渡して、包装されたお守りを受け取った。

なんでも、お母さんの元同僚の人が自分のお店を開いたらしい。かなりお世話になったらしいから、お礼や成功を祈ってお守りをあげたいんだそうな。


「ありがとうございます。それじゃ…」


これで今日のお努めは終わりだ、家に帰ったら何をしよう。ゆっくりお茶でも飲んでごろごろしたい。ああでも…納屋の掃除もしなくちゃいけないんだっけ、やることいっぱいだ。


一気に脱力した。お休みなのに、ゆっくりできないなあ。とほほ、息をつきながら退散しようとすると物凄い力で手を掴まれた。




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