はらり、ひとひら。


カラフルな広告に目が留まった。白黒の新聞の中に紛れひときわ目立つそれには、大きな文字でこう書かれていた。


『母の日ギフト』


・ ・ ・


「今週末、母の日かぁー」

昼休み。ジュースのストローを噛みつぶしながら秀くんが呟いた。実にタイムリーな話題だ。


「あ、私も昨日それ思い出したんだよね。広告見てさ」

「なんか贈んのみんな?」

雑誌を捲りながら飛鳥がんーと唸る。


「今探してるけどいいのない」

「まあ親としては何貰っても嬉しいしなぁ」


秀くんの言葉に同意だ。

「杏ちゃんは毎年、お母さんに何かあげてんの?」

「一応ねー。去年はケーキとカレー作って…その前の年はエプロンあげたよ」

「すげえー女の子~」

「なはは。照れますなあ」


かなり海斗に手伝って貰ったんだけどね。


「ケーキ…そっかその手もありか……んーでもやっぱ形として残る方が嬉しいかなあ…」


珍しく飛鳥はぶつぶつとひとり頭を悩ませていた。
< 793 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop