[完]大人の恋の始め方
ビックリして振り向くと、そこにはニコニコとした奈緒さんが立っていた。
「いえっ・・・あのてっきり楽さんが来るんだと」
慌てて言い訳をすると、クスクスと笑われた。
もぉ!
楽さんのせいで~!!!
「座っていい?」
ニッコリと笑う奈緒さんに、あたしは「どうぞどうぞ」と進める。
そのとき、携帯のバイブが鳴った。
ディスプレイを見ると"楽さん"と表示されている。
「もしもし、楽さん?」
[はいはい、楽さんですよ~]
ふざけた様子が、やけに腹立つ。
「どういうことですか」
[どういうって、奈緒のこと?ダメだった?]
見えなくても分かる。
この人、絶対あっけらかんとしてる。
「ダメじゃなくて、なんで教えてくれなかったんですか!」
そのとき、微笑む奈緒さんの顔が見えて、ちょっと焦る。
[ちょっとしたドッキリだよ。じゃーね]
「あ!ちょっと……!!」
呆気なく切られた電話。
どうすりゃイイのよ!?
仮にも、優斗さんの元カノなんでしょ?!
何言われるかわかんないんじゃん!!!
まだ優斗さんを好きとか言われたら、どうしよう!?
なんて思い、額には冷や汗をうっすらとかいた。