[完]大人の恋の始め方
「なんでって…
出来るだけ早く仕事終わらせただけだけど?」
車で通ったらしく、
後部座席に、スーパーの袋を入れる。
「そうなんだ!
お帰りなさい!」
「ん。ただいま」
そんな会話をしていると、急に友美が抱き着く。
「いーなーッッ
もう、すっかり夫婦じゃん!」
本当に羨ましそうに、あたしを見る。
「こんにちは、友美ちゃん」
そんな友美に、フッと笑う優斗さん。
……なんか、やっぱりモヤッてする。
「優斗さん、こんにちは!
今日泊めて貰ってもいいですか?」
……なんか、変な聞こえがしたのは、気にしないでおこう。
「あー、構わないよ?
ちょっと、あるんだろ?」
また、"ちょっと"。
通じないあたしには、疑問符のオンパレード。
「とりあえず、乗ったら?」
ドアを開けてくれたその席、助手席にあたし、後部座席に友美が乗り込んだ。
そして、車は発進し、マンションの駐車場へと向かう。
「つか、何をこんなに買ったわけ?」
袋がやけに重かったのか、不思議そうに聞いてくる。
「それねー、ハンバーグの材料もあるんだけど…」
「お菓子です、お菓子!!
久しぶりにお泊りだから、たくさん買っちゃいましたッッ」