甘い満月~Sweet Full Moon~
こっそりと教室まで戻った私たちは、胸を撫で下ろした。

私は、先生とかよりも、芯くんにはちあわせしなかったから。

岡田は、もちろん先生に見つかる事を恐れていた。 

「やっぱ教室は暖かいなぁ~」

「ね~」

「俺らよくあんな寒いとこでずっと座ってたよな~」

「ほんと、マジで風邪引くかもね~」


実は、屋上で岡田との思い出が増えてしまった事への罪悪感で潰されそうになってた。

本当は、芯くんと私が決めた秘密の場所なのに、芯くんと屋上で会うことを避けてるなんて。

最低だ。

でも、今は本当に自分の気持ちが分からない。

芯くんの過去を知りたい。でも、聞いて芯くんが嫌な思いしちゃったら、取り返しのつかない事になりそう。

考えが悪循環して、なかなか自分がどう行動していいのかがわからない。
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