もっと大切にする~再会のキスは突然に~
「欲しくなった?オレのこと。」
途端に今のこのアリエナイ状況を思い出す。
また…公衆の面前で…いい歳して…乗せられた。
「もぅ、ヤメて。」
必死で抵抗したつもりだったのに、私の口から発せられたのはもっとねだる様な甘い声。
「…ほんと、葵のソノ声やばい。もっと、言わせてみたくなる。」
河合クンのその低い艶声も、もっと色気と甘さを纏っていて、このまま、どうにでもなっちゃえって、そんなコトを思ってしまう…。
「葵の部屋いく?」
「うん……って、ダメダメ!まだいっぱい誤魔化されてる!全然ダメ!ぜ~ったいない!」
そうだったよ、全然説明ついてないよ。
河合クンだけなんか納得していい気分になっちゃって。
私は二股疑惑とか、麗奈さんのこととか、私達の関係とか、おまけに高木先生と繭子ちゃんのことまでぜんっぜん分からないのに。
「ちゃんと分かるように説明してよ。」
「ここで?」
まだマンションまでは数メートルある、道端。
さっきよりも少し冷静さを取り戻した私は、しょうがなく河合クンを促すように歩き出す。