もっと大切にする~再会のキスは突然に~
「な~んだ。使えないね~。同級生のよしみで彼女情報仕入れてきなさいよっ!」
なんてみんなに舌打ちまでされて、なんとかその場を乗り切った。



何、この人気?

顔はちょっと大人びたけど、身長がさほど高いこともない彼は目立つタイプではなかった、と思う。

大学当時在籍していたサッカー部にはもっとカッコいい先輩やお金持ちのお坊ちゃんタイプがうじゃうじゃしていたから、普通の家庭出身でサッカー部でもレギュラーじゃなかった彼は私と付き合ってなかったら彼女なんていなかったんじゃないか?と思ってしまうくらいモテてはなかった、と思う。


なぜこんなに推測表現なのかというと、当時彼は私に不安を与えるような言動は全くなかったからで。実際聞いてみたことはない。

でも私の周りにも彼のことをカッコいいと言う人はいなかったし、彼は授業以外の時間をほとんど私と過ごしていた。

お互い親元を離れ一人暮らしをしていたおかげで、一人で眠ることはほとんどないくらい時間を共有していた。

そのなかで彼が浮気してるかも?なんて思うことはなかったし、彼もそうだったと思う。

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