エロスからタナトスへ
「傷はたいしたことは、ありません。

 薬も、生命にかかわるものではないです。

 それより、精神的に弱っているようですので、

 そちらのケアをされるように。」

医師の言葉は、それだけだった。

「詩雨子さん、ごめん。僕がもたもたしてるばっかりに。」

「ジョンフンさん。自分を責めないで・・・

 彼女と一緒にいられますか?」

「はい。ソンミンさんにこれ以上迷惑はかけられないですから。」

「そんな風に言わないでください。

 僕にはまだ、彼女を日本に連れて行く役目が残ってます。

 だから、早く元気になってもらわないと。」

「本当に、ありがとうございます。」





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