美味しい時間
……何度でも抱いてやる……
何故だか、その言葉が頭から消えてくれない。
って、何度も抱かれたら、私の身体おかしくなっちゃわない!?
で、でもね。今日はそれでもいいかなぁ……なんて。
だって、すごく幸せだったから。こんな幸せなら、何度でも味わいたい。
頭の中でバカなことを考えながら、ひとり布団な中でモソモソしていると、自身
の処理を済ませた課長が私の隣に身を寄せた。汗ばんだ素肌が触れると、身体が
ピクンっと小さく跳ねる。
「どうした?」
「ど、どうもしてませんっ」
ヤバいヤバいっ!
バカなこと考えていたのがバレたら、恥ずかしすぎるっ!!
布団の縁を掴み平静を装って顔を出すと、プッと笑われ頭を撫でられた。
「顔」
「顔?」
「何でそんなに赤いの?」
「あ、赤いっ!? こ、これはまだ身体が火照ってるだけですっ」
両手でパタパタと顔をあおる。
「そんなムキになるなって。まぁ、そういうことにしといてやる」
そう言いながら大笑いしだすなんて……。
それに、いっつも上から目線。ちょっとムカつく。
でもこれって、私がバカなこと考えていたのバレてるってことだよね?
穴があったら入りたい……。
でもここには穴がないから、もう一度布団の中に潜る。
赤い顔を、更に赤くして……。