私の恋愛説明書






グゥーーーー。

もう給食かあ。

筆箱のチャックを閉めて席を立とうとしたとき、自分の筆箱の汚さに気づいた。

「ぐっちゃぐちゃじゃん…」

整理でもするか…。

筆箱の中のペンを全て出して、まとめ始めた。

「ペン、たくさん持ってるんだな。」

「あっ!辰馬。」

辰馬はわたしのペンをじーっと見ている。

「いーなー。ちょーだいよ」

わざとっぽくはにかんでわたしに笑いかけた。

「だーめっ」

ちょっと意地悪っぽく言ってみた。

「ちぇー」

辰馬がわたしの席を離れていく。

ちょっと言い過ぎたかな…

「やっぱあげる!」

「え?」

驚いて辰馬はこっちを振り返る。

「みんなー!席に座れー!」

先生が叫んだ。

辰馬は渋々席に戻っていった。

せっかく話ができそうだったのに…

先生のバカーー!
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