悪魔の熱情リブレット

「貴様は…ガブリエル!」

天国の門を支配する天使ガブリエル。

アンドラスの前に立ちはだかった上品な物腰の天使は、その中性的な顔に微笑みを浮かべた。

「居るべきところへお帰りなさい。ワタクシはアナタをこの先には通しません」

「どいてくれない?邪魔するなら血を見るはめになるよ?」

挑発的な悪魔の物言いにもガブリエルは冷静だった。

「悪魔がここにいるとわかれば、じきにミカエルの軍が来ます。そうなる前にお帰りなさい。これは忠告です」

「ハッ!生憎と、素直に聞く耳を持っていないんでね。斬らせてもらうよ!!」

「…愚かな…」

憂いをおびた表情でガブリエルは剣を構えた。

「アナタの目的はなんです?」

「言うわけないでしょ?」

双方、睨み合ったまま機会をうかがう。

「いいですか?ワタクシを倒しても、アナタは目的を遂げることなく地獄へ送り返されるでしょう」

ガブリエルの予言にも似た言いように、アンドラスは腹が立った。

「『告知の天使』がっ!!いい気になるな!!」


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