悪魔の熱情リブレット

歴史的価値があるとして廃墟の町に調査隊が送られた。

古い町だが、昔のまま綺麗な町並みを残しているので国の重要文化遺跡にするとかしないとか。

しかし、シャッテンブルクに送られた調査隊が調査期間を過ぎても誰一人帰って来ない。

そのため別の調査隊が向かったところ、瀕死の状態で町の入り口に横たわっていた調査隊の一人を発見した。

その人は震えながら言った。


「あ、く…ま…」


そして、息を引き取った。

後続の調査隊は恐怖して逃げ帰り、ニュースとして話題となったのである。

「オカルトやホラーなんかじゃないよ。調査隊の中にさ、僕の大学教授もいて…行方不明になったんだよね」

大学で考古学の研究をしているカミル。

慕っていた教授がシャッテンブルクの調査隊に選ばれたと聞いて、喜んで送り出したばかりだった。

「これから、ここで一杯やった後、『呪いの町』に行って真実を確かめてくるよ」

カミルのとんでもない発言におじさんは勢い良く否定的に首を振った。

「やめとけやめとけ!お前まで行方不明になったらどうすんだ!?」


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