悪魔の熱情リブレット


 静かな晩のこと。

少女の家の扉が唐突に叩かれた。

「こんな時間にどなた?」

少女の母が出迎えると、そこには町の男衆が険しい表情で立っていた。

「何の用ですか?」

そう問うよりも早く、数人の男が彼女の身体を拘束した。

「やめて下さい!何をするの!?」

すると、家の奥から彼女の夫が出て来て信じられないことを彼らに言った。

「娘は二階にいる。さ、急いで」

少女の母を押さえ込んでいる二人をその場に残し、他の連中は上の階へと駆けて行く。

この状況に、少女の母は言葉を失った。


夫が裏切った。


まさか、自分の娘を殺せと訴える連中の手引きをするとは!


彼女は怒りと絶望をぶつけるように叫んだ。


 
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