鈴屋のひとひら

夏の音








 夏になりました。




青年は鈴をつくっています。




 少し扉を開けて、お客がやってきました。



彼女でした。



白い猫です。




彼女は挨拶もせずに工房に上がり込み、小さな足で歩きます。



床の鈴が笑い、工房が賑やかになりました。






 青年は、その音がうるさく、邪魔なものだと思いました。
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