一度の保証(短編集)

久美

久美は、かーくんの為に貯金することにした。


毎月 できるだけ銀行にまわそう。


久美は、かーくんの貯金の為の専用の通帳を作った。


その通帳を見ると、心が踊るように嬉しくて、今からかーくんに逢える喜びもで、なん倍にも幸せが膨れ上がっていた。


ケータイをいじりながら、下を向いて立っているかーくんを見つけ、久美は、かーくんに駆け寄った。


「かーくん」


「おっ、久美」


かーくんは、久美の名前を呼ぶと、携帯をしまい久美と腕をくんで歩いてくれる。


「久美、どこ行ってたん?」


「ん〜?内緒〜。かーくんは、仕事まで一緒におれんの?」


「おれるよ〜。俺も久美といてたいし」


「かーくん!大好き!
かーくんに出会えて良かった!」


「俺の台詞取るなや」


久美は、かーくんに、内緒事をしとくのが、むずむずして、言いたくて言いたくてたまらなかった。


早くかーくんの嬉しそうな顔が見たい。


久美が、そんな顔にしてあげたい。


留衣と、言わないで貯金だけしとくとゆう話しをしていたが、留衣には、内緒にして言ってしまいたくなった。


「かーくん!久美、今どこ行ってたと思う?」


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