一度の保証(短編集)
あたしが、今 命を絶ったら、だれが、心の底からあたしが生き返る事を願ってくれるだろうか?


あたしには、思い当たらない。


友達は、所詮 友達だし。


涙を流して悲しんでくれても、生き返る事を願って想ってくれたとしても、心の、心の底から…なんて。


とてつもない願う想いでなければ、何一つくもりのない想いでなければならないのに…


彼が、願ってくれる事はないだろう。


じゃあ、パパ?


パパは確に優しかった。


でも、パパは、仕事に行っている間、あたしが話すだけで、パパが見たわけではない事ばかりだった。


あたしの気持ちを分かってくれてるとは到底思えず。


拓哉?


拓哉は、あたしにそんな風に思わないよ。


拓哉は、自分が幸せな事にも気付かない。


ママ?


ママは、拓哉さえ居ればいいから、あたしがいなくなったら、まず、拓哉じゃなくて良かった。とでも思うはずだ。


でも、あたしは、もう一度の命がある事に託し、少し疲れた… 生きる事を、休みたい…


怖いよ…


でも、今 生き続けるのも怖いよ。


生き返れる条件には、もう一つ必要な事項がある。


期限は、死から三日間だけ…
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