また一緒に、1本取ろう。






「私、幸せなんだね」


「いきなりどうしたの、唯?」




「私ね、みんなと出会えて…こうしてお祭りに来て。毎日毎日、笑って。悲しいこともあったけど、今は幸せすぎて怖いくらいなの」




花火を見つめながら話す唯。


その瞳には、涙が溜まっているのが分かった。




「凌、あゆ、健ちゃん…私と一緒にいてくれて…笑ってくれて…たくさん…ありがとうっ…!」




「唯っ…」


「私ねっ…すっごく…幸せだよ!」


「唯ちゃん…」




唯は今、何を思い出しているんだろう。


時間が止まればいいのに。


素直に、そう思った。






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