365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!

「 あー!
美々!!
オレとしたことが!!
一番いい時を見逃したよ。
ありえないって!! 」



宏貴がスマホを片手にワメいている
何があったか知らないけど、
私は夕食の準備中。

一人でワメいただけではおさまらない気持ちを
キッチンにいる私のとこまできて宏貴は



「 もう!
美々、聞いて!!
3月からね
パンスターズ彗星が見れたんだ。
10日にさ
太陽に一番近づくんだよ。
それが今回だけで
二度と戻らない、
地球からは見れるのが最後なんだって。
それなのにさぁ、
オレ忘れてた。 」



私は宏貴の声を背中で聞いて
うんうんと頷いているだけで
そのまま料理を続けていた。


「 美々…
オレの話を
ちゃんと聞いてくれてる? 」



「 宏貴、今ね
あなたの大好きな唐揚げを作ってるのね。
危ないから終わってから
ちゃんと聞くから待っててよ。 」


宏貴の顔も見ずに言葉だけを伝えた。

宏貴がどんな顔をして私の背中を見ていたかも、
私の言葉に静かにキッチンから出て
どこへ行ったのかも気にもしなかった。


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