そのトキまでのサヨウナラ


私は人生は糞[くそ]だと思って生きている。


なんて不平等なものなのだ、と。


「、金沢さんっ、大丈夫っ?」


そう言って、一階から昇ってきていたクラスメイトの男の子が、自力じゃ立てない私に慌てて駆け寄り、手を差し伸べる。


「‥ありがと」


私は名前も知らない男の子の肩を借り、よろけながら立ち上がろうとした、が‥


「‥‥‥っっっい、った」


衝撃的な痛みに襲われれる。


余りの激痛に意識が揺らぐ。


「ちょ、金沢さん。大丈夫?‥金沢さんっ」





‥姫


薄れてゆく意識の中で、小さく、小さく私の名前を愛おしげに呼ぶ声が、確かに聞こえた気がした‥。



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