。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
やべぇ!
これ以上深く突っ込まれたら、ボロを出すかもしれねぇな。
と言うわけで退散!
あたしは一直線に自分の部屋に向かおうとしたが、
廊下の角からひょっこり顔を出したタクが、
「あ、おかえりなせぇ、お嬢♪可愛い服っすね。オニューですかい」
なんて、いつもなら気付かないことに、何で今日に限って目ざといんだ!
タクはあたしが外泊したことを特に深く詮索してるつもりはないらしく、全く悪意のないへらへら笑顔を浮かべている。
その笑顔が余計にムカつくぜ。
「オニュー?お嬢、いつ新調したんですかぃ」
マサの鋭い突っ込みが背後から入り、あたしは背中を凍らせながらも、そろりと振り返った。
「いつって、昨日…そう、昨日だよ!リコとショッピングしたあと、リコのお部屋でファッションショーしたんだ!
気に入ったからそのまま着てきただけだ。
文句あっか!?ぁあ゛?」
最後の方はもう逆ギレ。
あたしの睨みに、マサとタクは一瞬驚いたように身を怯ませ、その隙にあたしは部屋に逃げ込んだ。
やばい、やばい。
―――
「―――と、言うわけでさぁ昨日はリコんちに泊まったことになってるから、何か聞かれてもうまく話し合わせといて?」
あたしは昨日のいきさつを慌ててリコに電話で話し聞かせ、アリバイ工作を頼んだ。
『OK~☆でも朔羅ー……ムフフ』
リコは快く承諾してくれたけど、語尾の笑い声が妖しい…
『朔羅、龍崎くんと、とうとう!?』
「ばっ!ちっげぇよ!!何もないって!」
慌てて手を振って全否定。一緒に風呂に入ったなんて恥ずかしくて、口が裂けても言えん。