。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


今日の会議のお題は。


「来週水曜日に行く裏カジノについての作戦デス」


戒がテーブルの両端に手をついてあたしたちを見渡した。


あたしがごくりと喉を鳴らして戒とキョウスケを見ると、


「裏カジノに潜入することはできませんので、下調べは不可能。パソコンなどで帳簿をつけてないようなのでハッキングも無理でした」


とキョウスケが相変わらず無表情に手を上げる。


「そうゆうこと。今回は、ぶっつけ本番だ」


「ぶっつけ本番っていつもそうじゃねかよ」


「状況が違う。今回の敵は琢磨さんたちじゃないし、向こうだって必死だからな」


戒がいつになく真剣に言って、あたしはまたも息を呑んだ。


「クラブZのホステスに聞いたところ、カジノ内はルーレット、ブラックジャック、クラップス(二つのサイコロのを投げて、その目を予想すると言う単純なゲーム)などが主のようです」


ルーレット、ブラックジャック、クラップス…


そのどれもが運任せのゲームだ。


「客が大儲けをすると、店側は更に儲かると言って裏ゲームを紹介する」


戒が説明をくれた。


「裏ゲーム?」


「ポーカーですよ。ただしメンバーは客以外店の人間のようです。客と偽ってこちらを騙す寸法ですけど」


「そこで今までに勝った賭け金を全部スられちまうってことだな」


戒がテーブルの上で肘をつき、ちょっと宙を睨んだ。


だけどすぐに口元を吊り上げ、笑みを浮かべると、





「だが勝つと賭け金は法外」





「店側は黙っていませんからね。そのときに一気に畳み掛ける」






戒とキョウスケが拳をコツンと合わせ、二人はにやりと笑った。





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