。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

*琢磨Side*






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== 琢磨Side==



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タチバナと彩芽と“契約”を交わして三日経った。


この日は『会議』だと言い置いて、会議室の一部屋を数十分使用することにした。


「準備はいかがいたしましょう?」


側近の鴇田と秘書のキリが揃って聞いてきたが、


「いい。お前たちは下がれ。


それから、この会議室は俺が出てくるまで誰も近づかせるな。


お前たちも休憩してこい」



俺の言葉に二人は顔を見合わせてまばたきをしている。


「“大人の休憩”はなしだぞ?二時間程度だ。


どうしてもって言うんなら、下の会議室のどれかでしてこい」


俺が冗談で笑って床を指差すと、


鴇田は顔をしかめた。


「笑えない冗談ですね」


「いいじゃない、代表取締役のお許しも出たわけだし?」


とキリが色っぽく微笑んだが、その笑みをすぐに怪訝そうに歪めた。


どこか納得のいってない表情だ。


怪訝そうにしている二人の目の前で、俺は観音開きの扉をきっちり閉める。


パタン





最後まで二人は不思議そうに目を細めていたが、俺はそれを無視して扉を閉め切った。





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