。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

*戒Side*


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** 戒Side **



まだ、口の中に焼け付くようなわさびの辛さが残ってる。


鼻の奥が痛くて目尻に涙が浮かんでくる。


それを流すようにシャワーを浴びながら壁のタイルに片方の手をついて、もう片方は胃の辺りを押さえた。


キリキリ…いやいっそギリギリと言った鈍痛が胃の内側からじわりじわりと染み出しているようだ。


結局、強烈なわさびの辛さにやられてか、俺はあのあと何も食えなかった。


うまそうな匂いがしてたって言うのに…


今日の夕食はサンマの塩焼きだろ?


それから野菜炒め、たまねぎのコンソメ煮込み(わさびソース和え)それからサラダに味噌汁に…


考えたらそのどれもまともに食ってねぇ。


いや、考えたら吐き気が…


俺は慌てて口元を覆った。


あのわさびソースは朔羅の無言の圧力か……?


いや、あいつもびっくりしてたようだから。





―――響輔か………






ザー…


シャワーを浴びながら、「はぁ」とため息をつく。


朔羅が響輔に相談でもしたんだろうか。それでもって響輔の無言の攻撃…か。


簡単な絵図が俺の頭に浮かび上がって俺はがくりと項垂れた。


朔羅―――…あいつ響輔に何て言ったんだろう。






てか、明らかに不自然な俺の態度を見て


どう思っただろう―――……







何か聞きたそうにしてた。


悲しそうに表情に翳りを浮かべて―――…




それを思い出すと胃がキリキリと痛む。





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