。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「何で分かったかって??
俺ねー、こう見えても若い頃ホストだったんだぜ♪
だからそうゆう色恋トラブルは結構簡単に見破れるっていうかねー」
ユズさんはにこにこ笑って自分を指差す。
俺たちの関係を見破られていたことにも驚きだが、ユズさんがホスト!?
ま、まぁ黙ってりゃ結構なイケメンだしな。
趣味は変だけど。
「北海道から東京出てきて、18でホストやってさー。あんときはカタギだったけど、俺派手に遊んでたんだわ。
店でも結構いい地位に居て、いい気になってたんだな。
ヤクザの女に手ぇ出して……んでもって俺そんとき二股…いや、三股か…とにかく好きじゃなかったけど、いい金づるだったし付き合ってた女が方々にいてさ
そのことに気付いたスケがヤクザに垂れ込んだんだ。俺、ボッコボコにされてさ。
マジで殺されるかも、って思ったとき龍崎会長に助けられたんだ」
はー…ユズさんにそんな過去が…?
身の上話を聞かされて俺はひたすらに目をぱちぱち。
今日はユズさんに驚かされてばかりだ。
「ボロボロの俺をあの方…龍崎会長は何も言わずここへ連れてきてくれてさー。あったかい茶を出されて、
悪いの俺なのに、あの人それについては何も咎めずに
『女を大切にしろ』って一言。
男の中の男。侠気(オトコギ)ってのはこう言うことを言うんだ、ってはじめて気付いてさー。
はじめて誰かをすげぇと思った。はじめてこの人についていきたいって思ったんだ」
ユズさんはグラスを傾けて遠い目。
「その後はまぁ、会長に無理やり頼み込んで龍崎組に入れてもらって、女とも全員手を切って、
真面目に(?)ヤクザやってる」
ユズさんはちょっと恥ずかしそうに笑って首の後ろを掻く。
「悪りい、お前の様子見に来たんだけど俺の話ばっかりになっちまって」
「いえ…大丈夫です。俺、ユズさんのそうゆう話聞いたのはじめてだから、ちょっと新鮮って言うか…」
「まー…だからかな、お嬢を想って喧嘩する二人が、なんか眩しくてサ。
俺はお前らみたいな年齢のとき、喧嘩までして守りたい女てのが居なかったから、
お前の味方するつもりじゃねぇけど、がんばれよ」
ユズさんが照れ隠しに笑って俺の髪を乱暴にまさぐってくる。
俺はちょっと迷惑そうにその手から逃れながらも、
でも、そう言われて少し気持ちが楽になった。
少しだけ胃の痛みが和らいだ。