。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

兄弟喧嘩!?




◆ 兄弟喧嘩!? ◆


「戒のヤツ、全然食ってねぇけど、アイツ大丈夫なんか?


ちょっとやり過ぎたかな…」


食後の皿洗いをしながら、同じように手伝ってくれてるキョウスケに聞いてみた。


噂されてる当のご本人、戒は風呂に入ってる最中。


「一回ぐらい食事を抜いただけで死にはしませんよ」


とキョウスケは冷たい。


「ま、まぁそうだけど…夜中に腹減るのも可哀想だよな。握り飯でも…」


と言いながら炊飯ジャーを覗き込むも、相変わらずな組員の旺盛な食欲でジャーの中はからっぽ。


「お嬢は戒さんを甘やかしすぎです。ほっといても大丈夫です」


パクッ


キョウスケはジャーの蓋を閉め降ろして再び皿洗いをはじめた。


黙々と皿洗いをしているキョウスケ。だけど…


バシャッ


ガシャン!


キョウスケの手元から皿が滑り、シンクの中で皿が割れた。


「……すみません」


ちょっと下を向いて割れた皿を取り上げるキョウスケ。


「大丈夫かよ。お前もやり過ぎたって思ってんじゃねぇの?」


割れた皿の破片を拾い集めながら、


「そうじゃありません。あの男はそれぐらいがいいんです。


でも、なんか……気持ち悪い…」


と眉をしかめている。


「え?おめぇ大丈夫か!?なんかあたったかな」


夕飯のメニューを考えてあたしが首を捻ってると





「そうじゃないです。


なんか気持ち悪いんです。ここが」




キョウスケは自分の胸ら辺を手で押さえて


「新垣さんと何があったのか、俺聞いてきます」


キョウスケは破片をテーブルに並べてタオルで手を拭くと、台所を出て行った。


「ちょ、ちょっと待て!」


あたしも慌ててキョウスケの後を追う。


「聞くって何を!?ストレートに聞いたって教えてくれるわけないだろ!?」


あたしがトタトタとキョウスケの後を追っていくが、キョウスケは涼しい顔で大またに廊下を歩く。


「お嬢はご本人なんで教えてはくれないだろうですけど、俺は男同士だし」


とキョウスケはスタスタ。


くっそぉ!コンパスの違いか??


歩くの早ぇえんだよ!


あたしが慌ててキョウスケの後を追うも、キョウスケは戒が入っている風呂場の


“使用中”と言う札を確認して、ガラッと扉を開いて中に入っていってしまった。





その場に取り残されたあたし―――


ど、どうすれば!?







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