オノマトペ
「じゃあ、理事長や学園長に連絡をしないとかな……?」
「東条、頼むよ」
拓斗が自分の執事に声をかけると、ウルフカットの青年はピシッと背筋を伸ばした。
「はい、全身全霊をかけて!」
「……そんなに気合入れなくていいから」
苦笑する拓斗をよそに、主人に命令された東条はものっすごく嬉しそうにリビングを去っていった。
「うわー、ちょっと楽しみになってきた。妖怪以外にも何か種族はいるのか?」
「そうだね、幽霊もいるし、宇宙人もいるし、妖精、ヴァンパイア、悪魔も魔女もいるし……死神もいるね。雪女も」
「雪女っ!? 雪女って、見目良い男の魂を好んで食べるっていう、北の大陸にある伝説の!」
「……なんで異世界にまでそんなヤツがいるんだよ」
鷹雅はぶすっとした顔で呟いた。雪女という単語が出ただけで頭のてっぺんが薄ら寒い。
「雪菜先輩はそんな怖い人じゃないもん……優しい人だもん……」
和音にべったり張り付いている花音は、ぷう、と頬を膨らませた。
そして、じっとフェイレイとリディルを見ている。
じっと。
彼らの手を。
その、薬指を。
「東条、頼むよ」
拓斗が自分の執事に声をかけると、ウルフカットの青年はピシッと背筋を伸ばした。
「はい、全身全霊をかけて!」
「……そんなに気合入れなくていいから」
苦笑する拓斗をよそに、主人に命令された東条はものっすごく嬉しそうにリビングを去っていった。
「うわー、ちょっと楽しみになってきた。妖怪以外にも何か種族はいるのか?」
「そうだね、幽霊もいるし、宇宙人もいるし、妖精、ヴァンパイア、悪魔も魔女もいるし……死神もいるね。雪女も」
「雪女っ!? 雪女って、見目良い男の魂を好んで食べるっていう、北の大陸にある伝説の!」
「……なんで異世界にまでそんなヤツがいるんだよ」
鷹雅はぶすっとした顔で呟いた。雪女という単語が出ただけで頭のてっぺんが薄ら寒い。
「雪菜先輩はそんな怖い人じゃないもん……優しい人だもん……」
和音にべったり張り付いている花音は、ぷう、と頬を膨らませた。
そして、じっとフェイレイとリディルを見ている。
じっと。
彼らの手を。
その、薬指を。