アゲハ~約束~
「・・・すごい・・・」



 傍で見ていた夏梅が、ポツリとこぼす。



「・・・」



 アゲハも黙ってはいたが、その意見に賛成だった。


 すごい、という以外の言葉が見つからない。


 自分のボキャブラリーの貧困さにうんざりする。

 でも、本当に、「すごかった」んだ。



「まぁ・・・そんなたいした人間じゃないけどさ、オレ自身は。」



 ルフナは苦笑いして、写真集に釘付けになっている集団を、フィルムにおさめた。



「そうやってそんな目で見てもらえるのは、嬉しい。」



 そういって、彼は、素直に笑った。



「――――」



 そんな彼が、アゲハには、とてもうらやましく思えた。


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