《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
十二巻*紅の鬼
俺は花奏から目が離せない。


陽が沈み、夜の帷が降りてくる。


儀式の2日目。



「ねぇ~昨日みたいに腕枕してくれるの?知弥」


「…」


花奏は俺の理性を試すように、腕に頭を乗せて来た。

意図的な感じはしないが、花奏の匂いと温もり、躰の重みに俺の本能は刺激される。


「本当に罪な女だ」
俺は小さく呟く。



「何か言った?」


「別に…」


「おやすみ」


花奏は瞳を閉じて、眠り始めた。

その俺を信用しきったキモチを愛しく思うけど。

もし、襲われても文句言うなよ…花奏





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