《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

妖の恐ろしさ~花奏side~

初めて鬼を見て、躰を駆け巡った戦慄に私の全身は震える。



そんな私を護るように果敢に鬼に刃を下ろす知弥。



ふたりは室内で何度か刃と槍を交えて、庭先に飛び出した。


闇を切り裂くように知弥の刃が鋭い音を響かせる。


鬼の槍が知弥の刃を受け止める。


互いに両者譲らず、楽を奏でるかのように、一定のリズムを持ち、攻防を繰り返す。



「大丈夫ですか?」


雨音さんと閑音君が私の元にやって来た。



知弥が鬼の凄まじい力に押されて、体勢を崩す。


でも、知弥の左手の刃が鬼の腹に突き刺さる。


すぐさま、知弥の刃は抜かれたが、鬼は腹から血を流し、苦しみ、姿を消した。





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