彼の独占欲
「来ないかと思った…」

彼が、待ち合わせ場所に着いた時に発した言葉。

「とりあえず、約束したことになっていましたし…」


「真面目なんだな。本当に、では、行きますか、金沢先生」


彼の車で、都内ホテルのラウンジへ向かった…


私は、お酒には弱い…

彼は、ウイスキーをロックで、私は、バーテンに軽いカクテルを注文した。


初めて飲んだこのお酒は本当においしかった。

ライチに味がほんのりした…


「あんた…酒弱いのか?」

「はい、あまり強くないです。あと、あんたって言うのはやめてください」


「ああ。すまない、じゃあ…真子」

「なんで、私の名前を?それに呼びつけないでください。
 私はあなたのものではありませんから…」


「名前は名刺。真子は自分の男以外からは呼ばれたくないんだ。」

「そんなんじゃないですけど・・・なんだか特別な感じで…」

ちょっと小さな声になってしまった…

「じゃあ…俺、お前のこと真子って呼ぶよ。俺の女になれよ」

「へぇ?呼びたいから、あなたの女になれってことですか?」

「うぅー。そうだな、それもあるけど、俺、お前に興味もったから
 なんか気になるんだよな… 」


この人は、医者でそれなりの技術を持っていることは今回の一件で確認済み

それなのに、何で、こんなに頭弱いこと言っているのかしら…


「あの…頭平気?仕事のストレスでおかしくなったんじゃないの?」


「何言ってんだよ、真子は今から俺のもんだ。」
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