二人のひみつ基地


顔色が変わった愛子が私のほうを向いて
「私たちの前じゃ出来ない話?」


「うん。ごめん。森山さんに聞きたい事があるんだ」


陸君がそう言って私の腕を引っ張って来た。


私は愛子の冷たい視線を浴びながら席を立った。


私は陸君に腕を取られたまま後に続いた。


二人で廊下を歩いていると擦れ違った女の子たちが振り返って私たちを見ていた。


女子生徒の注目を浴びている陸君だけに腕を取られたままだと特別な関係なんじゃないかと勘違いされてしまっている。


途中、教室から出て来た光哉と和樹に擦れ違い光哉と目が合った。


私達二人をずっと見ていた。


前を行く陸君は何も話さない。


そして、連れて来られた場所は校舎の屋上だった。


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