便利屋

上昇するエレベーターのなか、俺は必死に頭を回転させる。



感情のままに飛び出してきた。


だけど、咄嗟の判断だったけど…

俺は、便利屋を捨ててきた。



便利屋を辞める覚悟は、ちゃんとできてる。



俺にとって奈央は───‥


もう、無視できるほど小さな存在なんかじゃなくなってるんだ。



奈央がいなきゃ、俺の視界はくぐもったまま…外部との接触を拒んだまま。