先生とシンデレラ
制服に着替え終って由紀さんと真衣さんと一緒に先生が来るのを待つ。

たくさんのきらびやかなドレスが並ぶ部屋の中を見回して。

…この店に来るのも最後なんだなぁ。

なんて思ったり。

本当に、この店がなかったら私はここまで出来なかった。

もっと。

由紀さんと仲良くなりたかったな…

すると、そんな私の様子に気づいたのか、由紀さんは
「また、いつでもメールしてね。」
と言ってくれて。

「…っはい。ありがとうございます。」

その言葉に笑うと。

「でも、この店に来る日はだいぶん先ね。」

…“先”?

無い、じゃなくて?

「…え?」

私が聞き返すと、由紀さんは少し笑いながら
「…ふふ。今度この店で会うときは、蓮君と羅々ちゃんが結婚する時でしょ?」

…

…え?

誰と。

誰が。

結婚?

その言葉に、頬がカーッと暑くなって行くのが分かる。

「…っえ?え?」

由紀さんはそんな私を見て、ふふふ、と笑い続けている。

私と、先生が結婚?

そんなの、想像もした事なかった。

大体、私と先生は結婚以前に…

…

でも。

もし、私が。

先生と結婚出来たら。

「…ちょっと、由紀さん、羅々に何言ってるんです。」

すぐ後ろで声が聞こえて。

バッと振り返ると、そこにはスーツに着替えた先生が立っていた。

由紀さんはそんな先生を笑顔で見て、
「…否定、しないんだね?」

…そう言えば。

先生の性格からして、
“何言ってるんですか。変な事言うのやめて下さい。羅々が勘違いするでしょう。”
とか言ってもおかしくないのに。

なのに、先生が由紀さんに対して言った一言は。

「…うるさいですね。」
だった。
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