先生とシンデレラ
すると。

カチャリ。

私のすぐ後ろにあるドアが開いて。

後ろを振り返ると、そこには。

私が選んだ衣裳に見を包んで、髪型をオールバックにしていつもと違う感じがする先生がいた。

「…蓮、良い感じじゃない!」

真衣さんの声が聞こえていないかの様に。

泣いている私の顔をじっと見て。

それから、きゅっと眉を寄せながら私の後ろにいる人達に向かって。

「…誰。泣かせたの。」

「誰も泣かせてませーん、感動して羅々が泣いてるだけで~す。」

華ちゃんのその言葉を確認する様に、私の顔を見る先生に向かってコクコクと頷く。

すると先生は安心したような顔をして
「せっかくメイクしてもらったのに、崩れちゃうよ。」

「…っはい。」

「写真、撮ろうと思ったのに泣いてたら撮れないから早く泣き止んで。」

「はい…」

私が目をギュッと瞑って、それから開けると先生は、ふ、と笑った。
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