下り坂


最悪。

なんたって引っ越す前に愛莉がくれた大切なものだから。


仕方ない、探すか。


ここはど田舎だし、

私の行動範囲も決まってる。


私は学校に携帯を持っていくのもほとんどなく、

って言うかほとんど忘れて行ってるから意外と近場にあるかも。


最後に見たのはいつだろう、

と眉間にしわをよせて考える。


…あ。


私が思い当たるのは肝試しの前。

そう言えばあの時は忘れてなかったんだっけ。


今は太陽がちょうど真上に昇ってきていて、

前みたいな真っ暗じゃないし、行ってみるか。



私はとぼとぼ肝試しに使った道に向かっていった。



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