幼き神は涙さえ演じて

 「クラウン」

 ハっと気づいた時には、目の前に茶神が立っていた。

 「シスターマリーだ」

 「マリアンヌ・カダールです。マリーって呼んでください」

 ニコリと笑む赤毛のシスターは青空の住人らしく、天使にも見えた。

 ただ、茶神の隣に立つならば、クラウドには悪魔にも見える。

 
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