幼き神は涙さえ演じて

 「サガミくんね」

 振り返れば、教会には相応しくない黒尽くめの少年が立っていた。

 教会(ここ)で会うのは4回目だった。

 会うたびに少年の瞳は陰り、笑みは濃くなっていく。

 それがシスターは心配だった。

 
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