1000回のアイコンタクト

シャイな君

「あれはウケ狙い?」

病室の帰り、彼は言った。
「えっ…?」


「150円のお茶を買って、10円貸してなら分かるけど、13円貸してって、どんな財布の中身?」


た…確かに!!おかしい…!

「え…えへへ…!」


笑うしかない。


「君、名前は?」


「乗松あやせ、16歳!
六階の607号室です!!」


「個室?」


「うんっ!!」


そう。と彼は言った。


「あ、貴方は?」


「片倉雄希」


「かたくらゆーき…」


「18歳。八階の802号室。」

「18歳!?もっと上かと思った!」


「君はもっと下かと思ったよ。」


「ちなみに何歳に見えました?」


「中学生。」


ひどいなー!!


「…ところで、君、六階なのに、八階まできてどうする気?」



「本当だ!!」


しまった…!つい!


「あ、13円ありがとうございました!
明日、返します!!」

「あぁ…別にいいよ」


気にしないでと彼は言った。


「いえ、借りたものは返さなくては!」


そう言うと彼はクスッと笑った。
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