道化師と菫の花/GIADOOLⅣ

「とぼけるのも、いい加減にしておけよ。こっちは、伊達や酔狂でお前たちを探していたわけじゃないんだ。」


 殺気立った声。


 別に、これぐらいでおびえたりはしない。


 アルクは落ち着いた態度で、ウィスキーに一口つける。


 色々考えてみるが、この場で逃げる方法が思いつかない・・・。


 ここが、潮時か・・・・。


「お前たちってことは、私も含まれているのね?」


 客同士が、銃を取り出しているというのに、女マスターに動じた様子は見せない。


 まぁ、彼女にしてみたら、懐かしいやり取りぐらいにしか見えないのだろう。


「・・・・・あぁ、せっかくだからティムも来てくれ。」


「私は、ついでかよ。」


 女マスターのため息が漏れる。


 アルクとティムと水練・・・。


 15年前の亡霊が、今動き出そうとしていた・・・・・・。


 
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