緋い罪
夜の帳

赤い門に吊された灯籠に、火が灯される。
陽が沈んだと同時に軽やかな音色が響き、夜の街を練り歩く者達を招いているようだ。

ひとりの男が遊郭の道に踏み入れると、小見世に出ていた女郎達が色の声を上げた。
遊郭にはそぐわない格好の男だ。
すべて黒でかためた服装に、肌をさらけ出させないコートを夜風に靡かせる。
自宅内の仕事をしているのか、陽に焼けない白い肌が夜光に反射して病的に近い。

とろんと瞳を輝かせ、甘い香油を纏わせた女郎の手が郭から伸びて手招きしてくる。
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