恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-

「もし、この宝くじの一等が当たったら良樹に50万だけあげるね」


「もし、その宝くじの一等が当たったら奈央を殺して全部俺のものにするよ」


夕食の最中、たぶん何げに言っであろうそのひと言で、ようやくあたしの決心がついた。


もうコイツとは終わりにしよう――――



学生時代、LOVE×2のバカップルだったあたしと矢沢良樹は、高校卒業と同時に同棲をはじめ、それから3年という時間が流れた。


最初の頃は仕事が終わると毎日…、

「今から帰るよ」

…って電話してくれたし…、

「なんかいるものとかある? 俺、買って帰るからなんでも言ってよ」

…なんてやさしいことを言ってくれたりもしていた。


でも最近、あたしのケータイの着信履歴や、メールの受信ボックスには、良樹からのものは、ほとんど見当たらない。


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