恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-

それとも、あたしからの電話だと知ってて、あえて出ないようにしているのか? 

それは、あたしには分からないこと。


でも“一度断られたのに、しつこく電話をしてくる嫌な女”だと思われているんだとしたら、パンドラの箱を開けてしまったことを今さらのように後悔するしかなかった。


番号を非通知にしないまま電話をかけてきたのは、彼があたしのことを信頼していたからだということは分かっていた。

それなのに何度もしつこく電話してしまったことは、彼からの信頼に対する裏切り以外のなにものでもないし、あたしは自分のバカさに涙するよりほかなかった。


土曜日の夜のことにしてもそうだ。

その場で断られなかったことで、少しは脈があるのかと思っていたけど、彼にしてみれば、あたしのことを傷つけたくなくて、その場で断らなかっただけなのかもしれないし…。

そーいうふうに考えると、彼のくれたせいいっぱいのやさしささえも気づいてやれなかった自分のバカさかげんが、どうしようもないくらいに腹立たしかった。


あたしは、もう二度と彼とは逢わないと……そして、たとえ工場ですれ違うようなことがあったとしても気づかないフリをし続けようとココロに誓った――――
< 79 / 106 >

この作品をシェア

pagetop