〜うちのバストの秘密〜


関東大会とかインターハイとか、そーゆー大きい試合につながる大事な地区大会があって、昨日はその選抜をするT.T.(タイムトライアル)ってもんがあったんだけど

そこでさ...うちライバルの智恵に負けちゃったんだ。たった0.2秒の差。それが陸上の世界ではとっても大きな0.2秒なんだよね。


100Mハードル...うちが大好きでどうしても出たかった種目だったんだけど、負けちゃって




あーーーーー!悔しい!ぐやじい...出たかったんだよひたすらね。


なんて今さらそんなことうだうだ考えたってどうしようもないこと、わかってる。ましてや部活さぼるなんて馬鹿でしかないでしょ、って自分でも思ってる。



でもさ、でも、この行き場のないモヤモヤはどこにしまっておけばいいの?


あとほんの少しスタートが早く切れればとか、あとちょっと足が長かったらとか、ありもしない"たら"なんかを考えちゃうんだよ。


そう、こんな風にうじうじ悩むのがわたしの悪い癖...







…にしても、ここ、めっちゃ蒸し暑い。



体育倉庫らしい湿った臭い、風一つ吹かない密封された空間。




でもこの空間、今のうちにとっては落ち着いて考え事できるベストな場所かも。



分厚い鉄の扉の外から微かに聞こえてくるボールの跳ねる音、走るたびにきゅっきゅっとなるバッシュの音、男子の掛け声…



みんな頑張ってんだなーとか、扉を開けたらイケメンが汗を拭ってたりしてーとか





ただボーッと、心地好いなーて





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