妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~



そして私が歩き出すと男の子はついてきてくれていた。



林の中へ入って、振り返り男の子の前にかがんだ。



「どうしたの?」


「ほ、本当にわしが見えてるんじゃな!」



質問の答えになってないじゃない…。


「わしは瑰竜( カイリュウ )
じゃッ! お主は?」



余程、話し相手が欲しかったのだろうか…瑰竜は目を輝かせていた。



「私は彩花。それより、質問に答えてよ。」



あまりゆっくりとはしていられない。

学校が始まってしまう。


「せっかちじゃのう…

妖怪のわしと話せる人間はごく僅かしかおらんくて寂しかったのじゃ。」




―…妖怪、か……


私は幼稚園位の頃から普通は見えないものが見えてしまっていた。


亡くなった人やこの私の前でいじけている瑰竜のような妖怪が…





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