*心に咲くあの花の名前*【短】
それは部活帰りの事だった。

いつもの帰り道には病院近くの
小さな公園があった。


子供達の声は日が落ちるに
つれて、消えてゆく。


その時、いきなり大きな
風が吹いた。

その風に乗って白い紙が
何枚か俺の所に飛んで来た。


「ん・・・?」

その紙を拾う為にしゃがむと・・・


「スミマセンっそれ私のです・・・!」


柔らかい夏風が心地よく
俺の頬を掠める。


「あ・・・っ!?」

思わず声に出してしまった。

だって、目の前の子が夢に出て来る
子にそっくりなんだ・・・。


「・・・え?な、何ですか?」

「えっぃや・・・何でも・・・」


俺は焦って言葉を濁す。

また紙を拾い集める。

その拾い集めた紙を見ると、
綺麗な“画”が広がっていた。


「きれぇ・・・」

優しさと優美が入り混じった
幻想的な画が俺を世界に引きずり込む。


「わっ・・・見ちゃったんですか・・・!?」

「え、あ・・・ゴメン悪かったかな・・・?」

「・・・いえ、誉めてもらえて
嬉しいかったですっ」


彼女は俺の方を見ながら微笑んだ。

「また・・・ここに来たら逢える・・・?」

「・・・へ・・・?」

「また・・・逢えるかな?俺たち・・・」


少しの沈黙。

その間に我に帰ってはっとする。

何言ってんだよ俺はーっ!!?
見ず知らずの俺なんかに「逢える?」って言われても
意味分かんねぇっつーの!


「うん・・・」

「え?・・・」

「逢える・・・私・・・」
「ここで待ってる・・・!」



・・・・・え・・・・・?
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