シンデレラの王子は。
☆あの時

#PART.1 先生とアタシ。


アタシは毎週土日に、兄達のバスケの試合をルールも解らずに応援しに行くことが、嫌でも日課になっていた。
なぜなら アタシの兄弟構成は『兄→双子の兄→アタシ』となっており、気がついた時から兄達は生粋のバスケ少年だったからなのです。

1番上の兄は、神谷祐紗。
毎日、クラブチームから誘いの電話が来て、ママが電話越しに断る姿を夕飯中に兄弟揃って見ていた。
年が離れていることもあったけど、すごくかっこよくアタシの瞳には映っていた。バスケやっている時は特に。
アタシと双子の兄は、神谷架嗄。
双子なのに顔も性格も全然違って、祐紗兄の真似ばっかりしたがるの。架嗄がバスケ始めたのも、そのせい。
それに加えて、負けず嫌い。弱いから試合でよく負けて、悔しそうに、家で「兄貴みたいに強くなるんだ」って筋トレと走り込みしてる。けど、なかなか花が咲かないみたい…。

実の兄でも、バスケやっている時はキラキラして、輝いて見える。かっこいーとか思っちゃったりもする。
架嗄はバスケやっている時限定だけど。
そんな兄弟関係がある日を境に、急激に変化した。
それは、中学の時のこと。

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