シンデレラの王子は。

#PART.6 親友の存在


『会場の出入口にて待つ!!』
とかいって、メールしてきたくせにいないから、アタシが架嗄を待ってる。階段の手摺にもたれて黄昏ながら。
待たされるのは好きじゃない。というか、嫌いに等しい。
でも、今日はイライラしない。時間が過ぎていくのなんて忘れてボーッとしていた。
「わりー、わりー。」
後ろの方からそんな声が聴こえたような気がしたけど、振り向きはしなかった。
空っぽのアタシをツンツンとする誰か。その時にアタシのことかと自覚した。
「大丈夫かー?」
はっとしてその正体を見る。
アタシが待っていた人と違うし。
「ちょ、ちょっと!!なんでいるの!?」
「神谷こそ、なんでいんだよ」
「-----応援しに…来た」
そう言うのが照れ臭くて、少し躊躇った。
「あー、架嗄ね」
つまらなそうにそう言う君。
そのつもりだったけど、架嗄のこと応援するつもりだったけど、
「ブザービート……かっこよかったよ」
「当たり前。」
相変わらず上から目線。それが高橋くんだからいいんだけど、やっぱりちょっとイラッとくるよね。
「アタシが褒めて“あげてる”ってのに、その態度はっ…-----」
「そいやさ、」
思いっきり遮られたー。。。

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