海の恋人~人魚姫×最強総長~ 【下完】
長くて艶のある金色の髪。
白く透き通った肌に、折れそうなくらい細い手足。
美海にしか見えなかった…。
顔は見えないけど、その後姿は美海にしか、見えなかった。
ハハッ…幻覚だったりしてね。
それでも、俺は声をかけようと、白くて細い肩に手を置いた。
「美海……?」
スゥ…
肩に置いた筈の手は、通り抜け、空気を掴む。
まぢで…幻覚じゃねえか。
イラ立ちを隠せない俺は、周りにある物に適当に八つ当たりした。