…TRIANGLE…
「大丈夫、そんな時間ねーよ。あと三点死守!」
いつもならここで、おぉ、と盛り上がるとこだけど、隼斗を欠いたチームの落胆は大きい。
「大丈夫、大丈夫」
隼斗の代わりに選ばれた千葉ががくがくと肩を震るわせた。
「行くぞ、インターハイ全国」
「ナツ……」
隼斗の汗ばんだ手が俺の腕を掴む。
「……おまえに全部任せた」
「おう、余裕だ。その足、全国大会には治るだろ?」
隼斗が、にっと白い歯を見せる。悔しいけど、その笑顔に救われる。
「当たり前だ、いってこい! 負けたら許さねーぞ!」
隼斗の笑顔に救われるのは俺だけじゃなくて、それは皆も一緒。
今まで、どんな窮地も司令塔隼斗がいたから勝ち残ってこれたんだ。